業界標準に腸腺

1994年に眼鏡業界標準のアプリケーションを目指して、当社に開発の依頼がありました。現在でもユーザーが徐々にでも増えている眼鏡業界向けのソフトは数少ないようです。AVIS機能概要へ

プロローグ

1994年 AVIS開発の依頼がやって来たのがこの歳でした。開発者が「LAN成功するヒケツ」という単行本を技術評論社から出した年で、開発を依頼された側の企業の方々が信頼できる開発者を探していた時に、知り合いの友人がたまたま依頼者の中におられたのが出会いの切っ掛けです。九州、長野、松本、甲府、宇都宮というばらばらの地域に本社を構える企業にそれぞれ10店舗から20店舗程度の販売、顧客、商品、カルテの管理を行なうシステムを実現して欲しいという依頼でした。5社の希望をかなえる為に仕様の作成からスタートしたいとの事でしたから、容易に受けることが出来る仕事ではないなと感じました。「LAN成功するヒケツ」の書き出しにある「コンピュータはドラゴンボールではない」という自分が書いたフレーズが浮かびました。最初に本当の意味で依頼を受けたのは当社でしたが、それまでに大手コンピュータベンダー数社と交渉を繰り返していたと伺いました。ユーザー企業が5社でクライアント数が50台~200台となりますと、ソフトウェアだけでも億単位の費用が普通です。ベンダー側の現実はそうでもユーザー側の現実は全く違うのが中小企業の現実です。大手ベンダーは担当者も定期的に変わります。その度に最初からの説明になる訳ですが、リストラを繰り返していた当時のお家事情から考えれば自然な事で、ユーザーには不利益でもダウンサイジングに生き残りを掛けていたのは、コンピュータの話だけではなくて、大手ベンダーの内部も同様だった訳です。

選ばれた理由

1995 最終的に当社に開発の発注が下り、仕様の作成がスタートしました。今でも本当の理由は分りませんが、ユーザーの疑問に具体的に応えた事がポイントだと言われていますが、担当者ベースの見解と経営者ベースの見解は少し違っていたようにも思えます。やはり最終決断は金額にあったようです。でも本当に完成するのだろうか?これが各社にとって最大の懸案事項であり、同時に当社の懸案事項だったのも事実です。お金さえ出せばどうにかなると今でも思われることが多いシステム開発ですが、幾らお金を出して開発者を次々に変更しても完成しない開発案件はごろごろ転がっています。日経コンピュータの記者とも話すことが当時は随分あったのですが、「動かないコンピュータ」という不定期の連載が一番人気だそうで、実際に動いていないメガプロジェクトが星の数ほどあるという話です。では取材対象に困らないのでは?という質問に「ユーザーも意地とプライドがあって簡単に取材を受けてくれない」という話です。確かに開発依頼を受ける企業の多くが過去のシステムは成功していて問題はなかったと口を揃えてきます。その理由は失敗していたとか、問題が多かったと申告すれば足下を見られて開発費用が高くなるとか、プライドとかだと思います。システムを成功させたいなら、むしろ過去の問題を正直に告白して貰って、その会社のシステム構築の難しさを開発側が理解した方が正解です。AVISも開発が開始して随分時が経過してから過去のシステムの問題を聞くようになりました。(続く)

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